最近、多くの方から「ノッティーさんの手法は海外FX業者でも使えますか?」
といったご質問を頂くようになりました。
国内業者のレバレッジ規制や相対取引(DD)の不透明なレートなどに嫌気がさして、NDDを採用する海外業者への需要がかなり伸びているようです。
そして、質問の回答をしますと、
「スキャルであっても、海外FX業者でも使える!」です。
実際、僕も昨年に6つくらい海外業者の口座を開設して、一部トレードで利用しています。
そこで海外FX業者のメリットやデメリット、どの業者が良いのかなどについて解説したいと思います。
1回の記事では収まらないほどに長くなると思いますので、複数回に分けて書いていきます。
海外FXとは?
まずはベーシックなところから始めます。
海外FX業者とは、日本国内に営業所を持たないFX業者の総称です。
この「海外FX業者」と対称なるのが「国内FX業者」です。
国内FX業者は、日本の金融庁に登録した業者です。
金融庁に登録してある、ということで信頼性は高まりますが、
その反面、レバレッジ規制や金商法など金融庁の定める決まりに従う必要があります。
その一方で海外FX業者は日本国外で営業しているため、
金融庁に登録していません。(あえて登録していないと思われます)
日本人も口座の開ける海外FX業者の多くは、タックスヘイブンにオフィスを構えています。
例:XM⇒セーシェル、タイタンFX⇒バヌアツ
金融庁に登録していない。
というと少し不安に感じますが、業者によっては日本以外の多くの国でライセンスを取っていたりします。また、国内業者と同じく信託保全している所も多いです。
もちろん過去には詐欺的な業者もありましたので全ての海外業者は安心とは言いませんが、しっかりとした業者も多く存在するのは事実です。
海外FXと国内FXの違い
それでは、海外FX業者と国内FX業者ではどのような違いがあるのでしょうか?
少し詳しく掘り下げたいと思います。
海外FXは金融庁の規制や圧力を受けない
前述しましたが、海外FXは日本の金融庁に登録していません。
そのため、日本の金融庁の言うことや規制に従う必要がありません。
一般的に金融庁は消費者であり我々トレーダーの味方です。
しかし、最近は過度な規制を設けようとしているようにも思えます。
当たり前なことで忘れがちな事なのですが、「法律」や「規制」というのもトレードに大きな影響を与えます。
国内と海外ではレバレッジが違う
海外FX業者は日本国内の規制やルールに従う必要はありません。
ですので、国内FX業者では最大レバレッジ25倍ですが、海外業者だと1000倍以上の所もあります。
まぁレバレッジ1000倍で実際に取引する人はかなり少ないとは思いますが、
国内ルールの25倍には不満がある人は多いはず。
このような人たちにとっては、海外FX業者は選択肢の一つになります。
海外FXにはゼロカットがある
僕個人としては、海外FXの最大の魅力がゼロカットじゃないかと思います。
ゼロカットとは、ポジション保有中にどんなにレートが逆行したとしても、
証拠金以上のお金は取られないシステムです。
例えば2015年1月のスイスフランショック。
この時は瞬間的に1000pips以上の動きがありました。
国内業者でポジションを持っていた人の中には、
レートが一気に飛んでしまったために遠く離れたレートで約定させられ、
数千万円単位の追証を迫れた人もいましたし、現在も裁判をしている人もいます。
このような突発的な動きは超激レアですけども、
無いとは言い切れません。
でも、ゼロカットを採用する業者であれば、ポジション保有中に
1000pips以上逆に飛んだとしても、預けている証拠金以上は請求されません。
つまり、海外FX業者の口座に少しお金を入れて、それをハイレバで運用することで、
もしものショック時であっても被害を最小限に食い止めることができるのです。
海外FXはスプレッドが広い
海外FXは国内FXと比較するとスプレッドが広めです。
これがスキャルピングをする人にとっては大きな障壁になります。
このスプレッドにつきましては、次回以降の記事で深く掘り下げます。
国内FX業者と海外FX業者では税制が違う
税制の違いも大きなポイントです。
国内業者の取引で得た利益は、経費を除いて20.315%(所得税と住民税の合計)が課税されます。
他に所得があってもなくても関係なく20.315%です。(申告分離課税)
しかし、海外FXは違います。
海外FXで得た利益は雑所得に分類され、給与所得など他の収入と合算した額に応じて税率が決まります。
これが所得税の早見表です。
所得金額が増えるほど税率が上がります。
例えば現在の所得金額が695万円以下の場合は、所得税率は2割です。
(会社勤めの方の場合、課税される所得金額695万円は年収1千万円程度になります。
所得金額は、給料総額から社会保険費や給与所得控除を差し引いたものです。)
所得金額が500万円で海外FXの利益が100万円だった場合、
トータルは600万円の所得となりますので、海外FXについても2割の所得税がかかります。
所得税に加えて、住民税も1割ほど取られますので、この所得額ではトータルで3割税金を持って行かれることになります。
逆に、海外FXを含めた所得金額が330万円以下の場合は、
所得税率と住民税率合わせても2割程度で収まります。
このような方の場合は、海外業者で取引した方が税率的にも多少有利になります。
海外FXのメリット・デメリット
海外FX業者を使うメリットとデメリットをまとめます。
メリット
- 金融庁の規制や圧力を受けない
- 国内業者と比べて高いレバレッジでトレードできる
- ゼロカットがある
デメリット
- スプレッドが広い
- 税制が不利になる事が多い
国内業者も海外業者もメリットやデメリットがあります。
それらを踏まえた上で、国内業者で取引をするか、海外業者で取引をするかを決めるべきでしょう。
では次回は具体的にどの業者が良いのかを解説していきます。