今回はFXを学んでいく上で悩ましい問題である「独学でやるか、誰かに教えてもらうかのどっちが良いのか?」について考えていきたいと思います。
何事もそうですが、何かを学ぶ方法は大きく2つに分かれます。
基本的には「誰かに教えてもらう」のが良いとされていますが、学問や筆記メインの資格試験など、一人で完結するようなことは、独学でも十分対応可能です。(と個人的に考えています)
その一方で、ピアノのような楽器、スポーツなど、細やかな体の動きが必要になることについては、専門の人に教えてもらう方が圧倒的に効率が良いですし、一人でやるには限界があるのも事実です。
では、FXはどうでしょうか?
僕の考えをまとめます。
FXを学ぶ上での大前提
まず、FXを学ぶ上での大前提として知っておいてほしいことがあります。
それは、「相場において常に正しい理論は存在しない」ということ。
例えば、算数を学ぶ場合は数の概念を知るために数を数えて、10進法を知って・・・と徐々にステップを踏んでから、足し算などを学んでいきます。
算数では、「1+1」の回答は常に、必ず「2」です。
これは世界共通です。
これをベースにして、掛け算、割り算、分数、小数などへ発展していきます。
ガッチリと理論で固められているので、しっかりと理解すれば応用・発展することが可能です。
市場には絶対に正しい理論は存在しない
では市場の方はどうでしょうか?
市場分析方法にはテクニカル分析とファンダメンタルズ分析の大きく二つがあります。
どちらについても「理論」と呼ばれるモノが数多く存在しますが、市場分析に関する「理論」はあくまでも傾向を示すものがほとんどです。
テクニカル分析で有名なモノで言えばダウ理論。
解説を見るととても正しい印象を受けますが、必ずしもそうなるわけではありませんし、波の見極め方など利用者の判断によるものが非常に強いです。
だからこそ、相場分析方法は利益を出しているトレーダーなら絶対的に知っている基本というもはありません。人によって全く異なる分析をしているからです。
ある人はエリオット波動を使うし、ある人はGMMAを使うし、ある人はレートパネルを見るだけでも勝てるし、ある人はEAを使うし・・・と根本から相場へのアプローチ方法が違うのです。
つまりここで何が言いたいかというと、「トレードを学ぶと言うことは、様々なやり方・勝ち方がある中で、その一つを学ぶに過ぎない」と言うことです。
そして、どんな手法であっても結果には波があることも知っておきましょう。毎日○○万円!なんて夢見ない方が良いですよ。
独学でFXを学ぶ
僕はFXを独学で学びました。
独学で使用するものは大体以下のものになると思います。
- FXに関する情報が書かれたWEBサイト
- 投資書籍
- 情報商材
- YouTube等の動画
- TwitterなどのSNS
僕がFXを始めた2007年当時は、今と比べるとトレードに関する情報は非常に少なかったですが、その中でも投資書籍を読んだり、手法に関するサイトを訪問したり、教材を購入したりしていました。
それらから得た情報を統合してトレード経験を積みながら検証することで、何とか利益が出せるようになりました。
このような経験から、FXは独学でも勝てるようになると思っています。
独学のメリット
FXやトレードの情報がネット上に溢れている現代なら、かなり低コストでトレードが学べます。
やる気と時間と学習方法さえ間違っていなければ、それなりに結果を出せるのではないかと思います。
自分のペースで学べますし、困ったことがあれば検索する、検証する・・・とすれば、必要な情報の多くが得られます。
独学のデメリット
しかしその反面、誘惑も多いです。
情報がありふれているからこそ、他のやり方や主義主張に惑わされやすくなります。
トレード結果はランダムな要素が強いですから、ちょっとした落ち込みの中で悲壮感に打ちひしがれて、それまでのやり方を否定して他の手法へ移る・・・なんてことは良くある話です。
特に手法が低コストで手に入る現代だからこそ、この傾向は顕著ではないのでしょうか。
耳障りの言い手法ばかりに手を出した結果、トレードで勝つために本当に必要なことは何も身に付かずに延々と負け続けることになります。
自分を律しながら、強い意志を持って自分の信じる手法を磨き続けることこそが大事なんですが、それを継続できる人はそれほど多くはないかも知れませんね。
人間、弱いですから・・・。
勝っているトレーダーから直接教えてもらう
僕はFXを直接教えてもらったことはありませんが、個人的に思うことを書いていきます。
直接教えてもらうメリット
トレーダーとしての初期段階で他のトレーダーから直接指導してもらえるのは、個人的には価値があると思います。
なぜなら、最初の時点でトレードのデメリットや大変さを教えてもらえるだろうから・・・。
他にも多くの人が求めたがる手法だけでなくトレードのメンタル、特に負けている時の考え方、勝っている時の考え方などが直接話して聞けるのは非常に有用だと思います。
教える側が経験がある人ほど引き出しは多いでしょうし、直接会って学べるからこそ他の手法に浮気しにくいと思います。
初心者レベルのうちに良いコーチと出会っていたら、独学でありがちな初心者レベルをぐるぐる回り続けてしまうことを高い可能性で回避できるのではないでしょうか。
コーチからFXの学び方まで習うことが出来たら、コーチから離れた後も継続して質の高い独学が出来るんじゃないかと思います。
直接教えてもらうデメリット
ただその反面、コーチとの相性も有りますし、教える側の資質も有ります。
教える側が本当に勝てているトレーダーであっても、優秀なトレードコーチになるかと言われたらそうでは無いですよね。
例えば、大学教授は自分の専門の研究をしていて、その片手間に学部生に講義をします。
教壇に立って教えることがメインではないので、講義があまり上手ではない人もいます。
人によっては、何年も同じノートを板書するだけ、意味の分からんパワーポイントを連打して「教えたこと」にしていることもあります。
こういったことが、トレードを直接教わる場合でもあるかなと思います。だって、教える側も現役のトレーダーで、トレードすることが最優先になるわけですから。
他にも、本当はトレードで利益を出せていないのにトレードを教えている人もいるでしょう。そういった意味では、教え方の下手な大学教授よりもタチが悪いです。
でも、トレード初心者の場合は、自分の先生が本当に利益を出しているのかどうかも分からないはずです・・・。つまりは、トレードコーチガチャな一面もあります。
それから、教わるためには金銭のやり取りが生じるのは当然だと思いますが、直接教わる場合は高額になるのは必至です。
言うまでもなく、稼げる技術をコーチの時間をもらって教えてもらうわけですし、コーチにも負担がかかります。だからこそ、高い金額じゃないと引き受けないんじゃないかと思います。
少なくともコーチに割く時間で得られるであろうトレードの期待値+αが相場になりそうです。(僕もたまに「直接教えてほしい」と言われることがあるんですが、全てお断りしています。)
まとめ
ダラダラと「独学」か「直接習う」のどちらが良いかについて書きましたが、僕が考えるFXを学ぶ理想の流れは以下の通りです。
最初はだれかに直接教わった方が良いと思います。
ネットの情報は玉石混交でノイズもかなり多いですから、それに惑わされないところまで一気に連れて行ってもらった後は、独学でやっていくのがベスト。
FX自体が一人でやるものですから、自分一人でFXを学び続けられる技術とノウハウも絶対的に必要です。
人に教えてもらってばかりではダメです。
FXでは、人に教えてもらって成長する段階と、自分で必死で考えて、悩んで、苦労しないと成長しない段階があります。
後者の段階の時に、自分で解決できる技術を持っていないと前に進めず挫折するので、独学できる技術はいずれにしても必要ですね。
周りに信頼できるトレーダーがいるのであれば、その人に直接教えを乞うのがいいでしょう。
しかし、そんな人がいないのであれば、独学で頑張りましょう。
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